富士住建での家づくりを検討する中で、地震への備えは最も気になる点のひとつだと思います。
富士住建の家は、災害時の拠点となる消防署と同じ最高ランクの耐震性能を標準で備えているので、安心してください。
この記事では、耐震等級3の具体的な内容はもちろん、標準装備の制振ダンパーや見えない基礎の部分まで、富士住建の地震対策を網羅的に解説します。
標準仕様だけで、本当に家族を守れる家になるのかな？
標準仕様の強さを理解し、さらに性能を高める工夫を知ることが大切です
耐震とは？
家づくりの地震対策を考える上で、最も基本となるのが「耐震」という考え方です。
耐震とは、柱や梁、壁といった建物の構造そのものを頑丈につくり、地震の揺れという大きな力に「耐えて」、建物の倒壊を防ぐ技術を指します。
イメージとしては、がっしりとした体で真正面から揺れを受け止めるような状態です。
地震が発生すると、地面から建物に直接強い力が加わります。
耐震構造の家は、その力を筋交いや構造用合板などで固めた壁、強固な基礎で受け止め、建物が壊れないように持ちこたえます。
多くのハウスメーカーが採用している、最も標準的な地震対策の方法といえます。
建築基準法でも、すべての建物に一定の耐震性能が義務付けられており、まさに家を守るための土台となる性能です。
この耐震性能のレベルを示す指標が「耐震等級」であり、等級が高いほど、より大きな地震に耐えられる頑丈な家であることを示します。
耐震・制振・免震はそれぞれ別のもの
家づくりを進めていると必ず耳にする「耐震」「制振」「免震」という言葉ですが、これらは全く異なるアプローチです。
安全な家を建てるためには、それぞれの考え方と役割の違いを正しく理解することが、後悔しない選択につながります。
| 種類 | 考え方 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 耐震 | 柱や壁を強化し、建物の強度で地震の揺れに「耐える」 | 比較的コストが安い、多くの住宅で採用、設計自由度が高い | 繰り返しの揺れでダメージが蓄積、建物上階の揺れは大きい |
| 制振 | ダンパーなどの装置で地震のエネルギーを吸収し、揺れを「制御する」 | 建物の変形を抑え損傷を軽減、繰り返しの地震に強い | 耐震よりコストがかかる、装置の設置スペースが必要 |
| 免震 | 建物と基礎の間に装置を入れ、地面の揺れを直接建物に「伝えない」 | 最も揺れを小さくできる、建物や家具の被害が少ない | コストが非常に高い、定期的なメンテナンスが必要、土地の条件を選ぶ |
この3つの違いを理解すると、ハウスメーカーがどの考え方を重視しているのかが見えてきます。
富士住建が採用している「耐震＋制振」は、建物の強度を確保しつつ、繰り返す地震のダメージを軽減する、コストと性能のバランスに優れた現実的な選択肢であることがわかります。
耐震等級とは？
耐震等級は、住宅品質確保促進法によって定められた建物の地震に対する強さを示す指標です。
私たちの家も、どのくらいの地震に耐えられるか気になりますね。
耐震等級は、建物の安全性を客観的に判断する重要な目安です。
等級は1,2,3の三段階に分かれていて、数字が大きいほど建物の耐震性が高いということになります。
- 等級1は、震度6強から7程度の地震で倒壊しない
- 等級2は、耐震等級1の1.25倍の地震に耐えられる
- 等級3は、耐震等級1の1.5倍の地震に耐えられる
耐震等級３が耐震における最高の等級ということになります。日本の戸建ては、耐震等級1が最低条件となっています。
等級1で十分ではないかと思う方もいるかもしれませんが、等級1は、震度6強から7程度の地震で倒壊しないだけであって、その家に住み続けられる保証はありません。命は守れる可能性はありますが、家という財産を保全するには不十分である可能性もあります。
以下に熊本地震の被害状況について紹介します。熊本地震（2016年4月14日–16日）は震度7を2回記録し、大きな被害をもたらしました。
| 耐震等級／基準 | 倒壊率・被害傾向 |
|---|---|
| 等級3 | 0%：14棟無被害、2棟軽微被害 |
| 等級2 | 軽微被害あり |
| 等級1 | 倒壊や大破のリスクあり |
| 旧耐震基準（1981年5月以前） | 倒壊率28.2% |
| 新耐震基準（1981年6月～2000年5月） | 倒壊率8.7% |
| 現行基準（2000年6月以降） | 倒壊率2.2% |
※ 平成 28 年（2016 年）熊本地震による 木造建築物の被害調査報告会 より
耐震等級3の住宅は、震度7級の揺れでも倒壊していません。
ただし、同じ耐震等級3であっても、詳細な耐震性能は建物ごとに異なります。
耐震等級1の1.5倍以上の耐震性がある建物が耐震等級３となるので、
例えば、耐震等級1のちょうど1.5倍の耐震性の建物と、耐震等級1のちょうど2倍の耐震性の建物はどちらも同じ耐震等級３となります。
より地震に対して強固な家にしたいという方は、担当の営業に相談し、間取りプランなどで、耐震性が高まるような壁の配置などを設計してもらうと良いでしょう。
富士住建は標準で耐震等級３
富士住建の住宅は、標準仕様で最高等級である「耐震等級3」の性能を備えています。
これは、災害時の救護活動や復興の拠点となる消防署や警察署などと同レベルの耐震性を意味しており、大きな安心材料になります。
「耐震等級3」であればどんな建物でも同じ耐震性があるということですか？
いえ、一定の基準以上であれば、同じ耐震等級３になります。
富士住建の耐震等級３の詳細
2階建ての場合、性能表示計算による耐震等級3が取得できます。
3階建ての場合は、法律により許容応力度計算が義務付けられているため、許容応力度計算による耐震等級3となるでしょう。
注意点としては、構造計算費用は別途かかるということ、そして、構造計算の結果によっては補強費用が別途かかるという点です。
また、もし、住宅性能表示制度の評価証を取得して「耐震等級3」であることを公的に証明したい場合は、別途申請費用が必要になります。
この点は、契約前や設計の打ち合わせの段階で確認しておくと安心です。
特別なオプションを追加しなくても、大きな地震に耐えうる頑丈な家を建てられるのは、富士住建の大きな魅力と言えるでしょう。
その他の耐震に関わる富士住建の仕様
耐震等級3というだけでも安心感がありますが、富士住建の強さはそれだけではありません。
標準仕様で採用されている揺れを吸収する仕組みや基礎の補強など、見えなくなる部分の細かなこだわりが、大きな安心につながっています。
ここでは、耐震性能をさらに高めるための具体的な仕様を見ていきましょう。
| 仕様の名称 | 概要 | 標準 or オプション |
|---|---|---|
| 制振ダンパー | 揺れのエネルギーを吸収し、建物の損傷を抑える装置 | 標準 |
| 基礎コーナーハンチ | 基礎の角部分をコンクリートで補強する工法 | 標準 |
| 檜4寸工法 | 一般的な柱より太い4寸角の檜材を使用する工法 | オプション |
| 地盤改良 | 調査の結果、地盤が弱い場合に必要な補強工事 | 必要に応じて実施 |
これらの仕様を一つひとつ理解することで、ご自身の家づくりで何を重視すべきかが見えてきます。
制振ダンパー（標準仕様）
富士住建はオリジナルの制振ダンパーが標準仕様となっています。
制振ダンパーは地震の揺れを軽減させる効果があり、建物の耐久性が高まります。
制振ダンパーは、繰り返し来る余震にも効果があるのですか？
制振ダンパーは、一度きりの大きな揺れだけでなく、その後の余震による建物の損傷も軽減する効果があります。
地震は複数回の大きな揺れが発生することも多く、例えば、熊本地震では震度７の揺れが2回起きています。建物の耐久性が高まると、住宅の構造部へのダメージを抑える効果が期待できます。
富士住建の制振ダンパーとは
制振ダンパーとは、地震の揺れのエネルギーを熱エネルギーなどに変換して吸収し、建物の変形や損傷を抑える装置です。
富士住建では、東京工業大学と共同開発した独自の「FJK制振壁」が標準で搭載されています。
これは、頑丈な「耐震構造」の弱点である、繰り返しの揺れによるダメージの蓄積を防ぐために重要な役割を果たします。
実大振動実験では、耐震等級3の住宅に比べて揺れを最大で82%も軽減できたという結果が出ています。
性質の異なる2種類のダンパーを組み合わせることで、小さな揺れから大きな揺れまで、幅広く効果を発揮してくれる点が心強いです。
| ダンパーの種類 | 特徴 |
|---|---|
| 粘弾性ダンパー | 小さな揺れから効果を発揮し、繰り返しエネルギーを吸収 |
| 鋼製ダンパー | 大きな揺れに強く、温度変化などの環境にも左右されにくい |
耐震等級3だけじゃダメなの？
頑丈なだけだとダメージが蓄積するので、揺れを吸収する制振が効果的です。
地震の力に耐える「耐震」と、揺れを吸収する「制振」が組み合わさることで、一度の大きな地震だけでなく、その後に続く余震からも大切な我が家を守ってくれるのです。
基礎コーナーハンチ（標準仕様）
基礎コーナーハンチとは、住宅の基礎の角（出隅）部分を、斜めにコンクリートで固めて補強する工法を指します。
基礎は家全体を支える最も重要な土台ですが、地震の際には角の部分に力が集中しやすくなります。
この一番弱い部分をあらかじめ補強しておくことで、基礎全体の強度を高めることが可能です。
コーナーハンチを設けることで、設けない場合に比べてひび割れの発生リスクを大幅に低減させる効果が期待できます。
家が完成すれば見えなくなってしまう部分ですが、こうした細かな補強が標準で行われているのは、施主としてとても安心できるポイントです。
そんなに細かい部分まで見る必要があるの？
基礎は家の土台です。見えない部分の補強が、家全体の安心につながります。
富士住建の家づくりは、完成後には確認できない部分にも手を抜かない姿勢が感じられます。
この基礎コーナーハンチは、まさにその象徴と言える仕様です。
檜四寸工法（追加料金・オプション）
檜4寸工法とは、柱に一般的な3.5寸（約10.5cm）角よりも太い4寸（約12cm）角の檜（ひのき）材を使用する工法です。
富士住建ではオプションとして選択できます。
柱が太くなることで、単純に家の骨格がより強固になります。
柱の断面積は、3.5寸角に比べて約1.3倍も大きくなるため、建物を支える力や横からの力に対する抵抗力が高まります。
さらに、材料である檜は耐久性や防蟻性に優れていることもメリットです。
オプションだけど、やる価値はあるのかな？
より高い構造強度と安心感を求めるなら、検討する価値は十分にあります。
もちろん、富士住建の標準仕様である3.5寸の柱でも耐震等級3の強度は確保されます。
しかし、予算に余裕があり、構造的な安心感をさらに高めたいと考える方にとっては、魅力的な選択肢となるでしょう。
地盤調査・地盤改良
富士住建に限ったことではありませんが、新築住宅を建てるにあたっては地盤改良が必要になることがあります。
地盤改良とは、家を建てる土地の地盤調査を行った結果、建物を安全に支えるには強度が不足していると判断された場合に、地盤を人工的に補強する工事のことです。
新築住宅を建てるにあたって地盤調査は義務で、その結果、改良が必要となれば、地盤改良も義務となります。
どんなに頑丈な家を建てても、その下の地盤が弱ければ意味がありません。
富士住建でも、当然、家を建てる前に必ず全棟で地盤調査が実施されます。
これは非常に安心できる点ですが、もし改良工事が必要となった場合、数十万円から百万円以上の追加費用が発生する可能性があります。これも富士住建に限らず、基本的にほぼすべてのハウスメーカーで同様です。
地盤の状態は実際に調査をしないと分からないため、家づくりの資金計画では、地盤改良のための予算もあらかじめ見込んでおくことが大切です。
少なくとも100万円から150万円くらいの予算を見込んでおくのが良いです。
土地を買う前に地盤が強いかどうかわからないの？
ハザードマップなどで予測はできますが、最終的には調査しないとわかりません。
地盤改良は、安全な家を建てるためのいわば「保険」のようなものです。
万が一必要になった際にも慌てないように、事前に営業担当者へ概算費用などを確認しておくと、より安心して計画を進められます。
より耐震性能を上げる方法
富士住建の標準仕様は高い耐震性を備えていますが、家づくりにおけるいくつかの工夫で、さらに地震に強い家を目指せます。
特に重要なのは、これから家を建てる土地の状況や、設計段階での間取りの工夫です。
建物の形や構造のバランスを整えることで、万が一の災害時にも、より安心して過ごせる住まいを実現できます。
これからご紹介するポイントは、耐震性を高める上で基本的ながらも見落としがちな項目なので、営業との打ち合わせの際にぜひ確認してみてください。
土地選びも重要
家の頑丈さは、その土台となる土地の強さに大きく左右されます。
そのため、家を建てる前のハザードマップの確認や地盤の強さを把握することが何よりも大切です。
例えば、過去に川や沼地だった場所を埋め立てた土地や、海に近い砂地盤は、地震の際に地面が液体のように揺れる「液状化現象」が起きやすい傾向にあります。
富士住建では全棟で地盤調査を行いますが、もし軟弱地盤と判定されると、地盤改良工事で100万円以上の追加費用がかかるケースもあるのです。
土地探しって、何から見ればいいのか分からなくなりますよね。
まずは自治体のハザードマップで、浸水や土砂災害のリスクが低いエリアを絞り込むのがおすすめです。
土地は後から変更できない、家づくりの最も重要な基盤です。
安全性と予算の両面から、慎重に選ぶ必要があります。
平屋にする
平屋とは、1階建ての住宅です。
2階建て以上の建物と比べて高さがないため重心が低く、構造が安定しています。
このため、地震の揺れに対して強いという特長を持ちます。
建物自体の重量も軽くなるため、地震発生時に建物が受ける力（地震力）も小さく抑えられます。
構造がシンプルな分、耐震設計の自由度も高まりやすい点もメリットになります。
広い敷地が必要になるという条件はありますが、耐震性を最優先に考えるのであれば、平屋は理想的な選択肢の一つといえます。
建物の形状をシンプルにする
建物の形状とは、上から見たときの家の形（平面形状）のことです。
同じ床面積の家でも、L字型やコの字型といった複雑な形状の建物より、正方形や長方形などのシンプルな四角い家の方が耐震性は高まります。
複雑な形状の建物は、地震の揺れに対して力が集中しやすい「角」の部分が多くなり、建物全体にねじれるような力がかかりやすくなるからです。
特に、1階と2階の形が大きく異なる「部分2階」や、2階部分が飛び出した形の「オーバーハング」、大きな吹き抜けがある家などは、構造のバランスが崩れやすいため注意深い設計が求められます。
おしゃれなデザインにしたいけど、耐震性が下がるのは心配です。
デザイン性と耐震性のバランスは、じっくり相談して決めるのが一番ですよ。
できるだけ凹凸の少ないシンプルな「総2階建て」に近づけることが、地震に強い家づくりの基本です。
直下率を高める
直下率とは、2階の柱や壁（耐力壁）の真下に、1階の柱や壁がどれだけ配置されているかを示す割合のことです。
この数値が高いほど、2階の重さや地震の力をスムーズに1階へ、そして基礎へと伝えることができ、建物全体の構造が安定します。
明確な法的基準はありませんが、一般的に安全な家の目安として柱の直下率は50%以上、壁の直下率は60%以上が望ましいとされています。
間取りの自由度を優先して1階に大きなリビングを設け、壁を少なくすると直下率が下がりやすいので、設計段階での確認が重要です。
窓を大きくしすぎない
リビングに大きな窓を設けると、開放感があって気持ちが良い空間になります。
しかし、壁は建物を支える重要な構造体であり、窓を大きくすればするほど、地震に耐えるための「耐力壁」が減ってしまうという側面も理解しておく必要があります。
特に、壁の端から端まであるような幅の広い窓や、建物の角に近い場所に窓を設置すると、地震の揺れに対する抵抗力が弱くなる傾向があります。
開放的なリビングにしたいので、大きな窓は譲れないのですが…
窓の配置や大きさを工夫したり、開口部の周辺を補強したりする方法もあります。
採光やデザイン性と耐震性のバランスを考え、窓の大きさや配置を慎重に計画することが求められます。
重量を軽くする
建物に加わる地震の力は、建物の重さに比例して大きくなります。
つまり、家全体を軽くすることで、地震の揺れによる影響を小さくできるのです。
家を軽くするために最も効果的な方法は、屋根材を軽いものにすることです。
建物の一番高い位置にある屋根を軽くすると、建物の重心が下がり、揺れそのものを小さくする効果も期待できます。
屋根材は見た目や耐久性だけで選ばれがちですが、耐震性の観点からも比較検討することが大切です。
家具にも注意する
建物の耐震性能をどれだけ高めても、室内の安全対策が不十分では意味がありません。
地震の際には、家具の転倒や落下によって怪我をしたり、避難経路が塞がれたりする危険があります。
消防庁のデータによると、近年の大きな地震における負傷者の原因の約3～5割は、家具類の転倒・落下・移動によるものと報告されています。（参考：地震から命を守る家具転倒対策 – 東京消防庁）
家を建てるタイミングであれば、壁面収納などの造り付け家具を計画するのが最も安全です。
後から置く家具についても、L字金具などで壁にしっかりと固定する対策が不可欠になります。
建物の強度だけでなく、家具の配置や固定方法まで考えることで、本当の意味で地震に強い住まいが完成します。
まとめ
本記事では、富士住建の優れた耐震性能について、具体的な仕様を交えながら詳しく解説しました。
特に重要なのは、災害時の拠点となる消防署と同じレベルである「耐震等級3」の性能と、繰り返す揺れのダメージを軽減する独自の「制振ダンパー」が標準で備わっている点です。
標準仕様の強さを正しく理解した上で、この記事を参考に、ご家族が安心して暮らせる家づくりのために、設計担当者と具体的な間取りや仕様について相談を進めていきましょう。
