マイホームを建てる際、窓選びは家族の快適な暮らしと家計を左右する極めて重要な選択です。
この記事では、富士住建の標準仕様であるYKK APW330の窓の高性能な特徴と、理想の家づくりに活かすための設計ポイントを徹底的に解説します。
冬の寒さや夏の暑さ、結露の悩みから解放され、後悔のない賢い家づくりを実現できる情報をまとめています。
この記事でわかること
なぜ窓が重要か
注文住宅において、窓はとても重要な要素の一つだと考えています。
その理由は、
- 光熱費
- 健康面
- 防犯面
- メンタル面
- メンテナンス性
などに窓が関わってくるためです。
断熱性能について
窓は、壁や屋根に比べて熱の出入りがはるかに大きい箇所です。
窓がある部分の壁には断熱材が入らないので、窓がある分だけ、家の断熱性能は悪くなります。富士住建の標準の樹脂サッシ+ペアガラスは高性能ではありますが、それでも断熱材のある壁よりも3倍くらいは熱を通しやすいと言われています。
ちなみに、断熱というと、冬の暖かさ(寒さ)だけに関係があるように見えますが、夏の涼しさ(暑さ)にも関係があります。外からの熱が室内にどれくらい影響するかであるため、断熱性能が良いと、冬の外の冷たい温度を室内に入れにくくなり、夏の外の暑い温度を室内に入れにくくなります。
断熱性能は、住んでからの光熱費や健康面にも大きく影響します。断熱性能が低いと、冷暖房効率が悪化し光熱費が増大するほか、冬の寒さや夏の暑さが原因で住む人の健康状態にも悪影響を及ぼす可能性があります。
- 呼吸器系への影響
- 循環器系への負担
- 睡眠の質の低下
などが挙げられます。
※参考:厚生労働省 健康増進に向けた住宅環境整備のための研究

窓の断熱性能が低いと、本当に光熱費が高くなるのでしょうか

窓からの熱損失が住宅全体の半分近くを占めるため、断熱性能の高い窓は光熱費削減に大きく貢献します
高断熱窓の採用は、長期的に見ても生活費を抑えるとともに、住まいの資産価値を高める選択になります。
日射について
窓からの日差しは、住まいにおける光熱費と快適性に直接影響します。
日射の取得は、夏の暑さ・冬の暖かさに関係があります。夏は、軒などで日射の取得を最小限にしつつ、冬は日射を多く取り込み部屋を暖かくするというのが理想になります。
窓の配置や種類、遮蔽方法を工夫することで、季節ごとの日差しをコントロールし、自然エネルギーを有効活用した省エネな暮らしを実現できます。

夏の西日対策はどのように考えれば良いのでしょうか

窓ガラスの遮熱性能や、庇や外付けブラインドなどの外部遮蔽によって、夏の厳しい日差しを効果的にコントロールできます
窓からの日射を適切に管理することは、一年中快適な温度を保ち、エネルギー消費を抑えるための重要なポイントです。
また、陽の光が全く入らない部屋は、気分の落ち込み・憂鬱感・ストレスなどにつながるケースがあります。
防犯について
窓は、空き巣などの侵入犯罪において最も狙われやすい場所の一つです。
警視庁の統計(令和5年)によると、侵入窃盗全体における侵入口別の割合で、窓からの侵入は55.7%です。
※警視庁の統計(令和5年)より
一戸建ての防犯面に関しては、窓が弱点になっているということがよくわかります。
特に侵入リスクの高い1階の窓や2階のテラス窓には、強固な防犯対策が施された窓を選ぶようにしましょう。

防犯対策はどの程度まで必要なのでしょうか

泥棒の侵入をあきらめさせるための工夫として、ガラス自体の強度が高い「防犯ガラス」が有効です
防犯性能の高い窓を採用することで、ご家族の安全と大切な財産を守り、毎日を安心して過ごせます。
景色について
窓は、外の世界と室内をつなぐ役割を担い、住まいに開放感と豊かな表情をもたらします。
窓はそこからの景色も切り取ることができます。窓からの景色が良いと、
- ストレスの軽減
- 気分の向上
- 生産性能向上
などの効果が期待ができます。メンタル面にも好影響を与えます。
特にリビングやダイニングに設けられた大きな窓は、視覚的な広がりを生み出し、家全体を明るく開放的な空間に変えてくれます。

景色が良いからといって、大きな窓ばかりにすると何か問題があるのでしょうか

大きな窓は開放感を生みますが、断熱性能やプライバシー、耐震性など、他の要素とのバランスを考える必要があります
窓から取り込む景色は、住まいの魅力を高め、毎日の生活に喜びと安らぎをもたらす大切な要素です。
掃除について
窓は、外部に面しているため、汚れやすく、定期的な清掃が必要です。
ガラスの汚れは、見た目の美しさを損ねるだけでなく、室内に取り込む光の量にも影響を与えます。
窓ガラス自体や網戸、サッシやレール部分の掃除は、思っている以上に労力がかかります。特に大きな窓や高所に設置された窓は、清掃作業が大変になる場合があります。
日々のメンテナンスの手間を考慮し、いかに効率的かつ安全に清掃できるかを考えることも、窓選びの重要な視点です。

窓の掃除が楽になるような工夫はありますか

窓の掃除を軽減するために、外から清掃しやすい配置にするなどの工夫があります
掃除のしやすさも考慮に入れることで、美しい窓を保ち、快適な暮らしを維持できます。
富士住建の標準の窓
家づくりでは、窓の性能が住まいの快適性や省エネ性能を大きく左右します。
高断熱樹脂サッシ「YKK APW330」
富士住建の窓の標準仕様は、
- APW330 樹脂窓 遮熱断熱LOW-E硝子(アルゴンガス入り)
です。
このサッシは、熱伝導率が低い樹脂フレームと、遮熱性または断熱性の高いLow-E複層ガラス、さらにガラス間にアルゴンガスが封入されています。
YKK AP社のオール樹脂サッシで、富士住建の対応地域である関東を考えると十分な仕様です。
- 引違い/掃き出し
- 横滑り
- 縦すべり
- ツーアクション
- Fix
- 上下窓
- テラスドア
- 勝手口
など様々な種類の窓を採用できます。

これにより、従来のアルミサッシと比較して、室内の熱が窓から逃げにくく、外からの冷気や熱気が伝わりにくくなります。
例えば、冬の寒い時期でも窓辺が冷え込むのを抑制し、室温の均一性を保ちやすくなります。
1階の窓すべてと2階の一部は防犯ガラスが標準仕様
富士住建の窓は1階の窓すべてと2階のテラス戸2窓は標準で防犯ガラスとなっています。(非防火エリア限定)

先程も書きましたが、一戸建て住宅への侵入窃盗のうち、窓からの侵入は55.7%となっており、多くの泥棒が窓から侵入しています。窓ガラスからの侵入のなかには、窓ガラスを割って侵入する場合もありますが、防犯ガラスは割れにくく時間がかかります。何度も窓ガラスを叩くというのは、響く音の頻度が増え、侵入に時間がかかることを意味します。
そのため、泥棒が侵入を諦める可能性も高くなります。また、防犯ガラスであることは窓ガラスにラベルが貼られているため、プロの泥棒であれば、そもそも防犯ガラスの家を狙うのを避ける可能性が高まる効果も期待できます。
ちなみに防犯ガラスは割れないということではなく、割るのに時間がかかるというものなので、防犯ガラスであれば絶対に泥棒が窓から侵入できないというわけではないので注意しましょう。また、そもそも施錠忘れなどの場合は、そのまま開けられてしまいます。
また、防犯ガラスは泥棒等の犯罪対策としてだけではなく、飛来物などへの対策としても有効です。加えて、防犯ガラスは割れても破片が飛び散りにくいので、震災時の被害等を抑える効果も期待できます
1階の窓3個所に電動シャッター
YKK電動シャッターが1階の掃き出し窓2箇所と腰窓1箇所に標準になっています。防犯面や遮光、遮熱、断熱効果も期待できます。電動なので開閉も簡単です。

このシャッターは、リモコン操作で窓を閉めたまま開閉できるため、天候や防犯対策の面で非常に優れています。
例えば、急な雨や強い日差しの時に、窓を開けずに室内から手軽にシャッターを操作できます。
開閉できる窓には網戸が標準
開閉できる窓には網戸が標準でつきます。網戸は、YKK クリアネット網戸で存在を感じさせにくく、虫も入りにくい網戸になります。

富士住建では、家中の開閉可能な窓すべてに網戸が標準装備されるため、追加費用なしで安心です。

網戸が標準って、当たり前なのでは?

網戸がオプションのハウスメーカーもあります。
新鮮な空気を取り入れながら、快適に過ごせる設計が考慮されています。
注文住宅の窓の違いについて
ひとくちに窓といっても様々な違いがあります。
サッシの素材違い
窓のサッシは、ガラスを固定する枠の部分です。その素材によって性能や価格などが異なります。
- 樹脂サッシ
- アルミ樹脂複合サッシ
- アルミサッシ
ほとんどのハウスメーカーや工務店などで樹脂サッシ、またはアルミ樹脂複合サッシが利用されています。また、一部のスウェーデンハウスなどの一部のハウスメーカーでは木製サッシが利用されている場合もあります。アルミサッシは古い住宅で利用されていたことが多いです。
金額面においても、アルミ樹脂複合サッシより、樹脂サッシのほうが高額となることが多いため、住んでいる地域の寒さなどを踏まえた窓サッシの選択が重要になります。
樹脂サッシ
枠が塩化ビニル樹脂などででき、熱伝導率が低く、アルミの約1000分の1程度です。室内の熱を逃がしにくく、外気の影響を受けにくいサッシになります。
また、温度差がサッシに伝わりにくいため、結露についてもしにくくなっています。アルミ樹脂複合サッシに比べると、初期費用が高い傾向があります。また、枠が太くなるというデザイン面でのデメリットもあります。

樹脂サッシって、具体的に何がそんなに良いの?

熱を通しにくい特性が、室内の快適さと光熱費の節約に直結します。
アルミ樹脂複合サッシ
多くは、室外側がアルミ、室内側が樹脂で構成されています。アルミの強度と耐久性、樹脂の断熱性を兼ね備えていますが、断熱性能は樹脂サッシよりは劣ります。また、オール樹脂サッシと比べると、枠が細くスッキリした印象を出せる場合が多いです。

樹脂サッシと比べて、断熱性はどれくらい違うのかな?

アルミ樹脂複合サッシも一定の断熱性を持つものの、樹脂サッシほどの性能は期待できません。
ガラスの枚数の違い
窓のガラスは、枚数が増えるほど断熱性能が向上します。
これは、ガラスの間に空気層やガス層が形成されるためです。
- トリプルガラス
- ペアガラス
| ガラスの種類 | 枚数 | 断熱性 | 防音性 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 単板ガラス | 1枚 | × | × | 一般的な窓ガラス、断熱性はほとんどない |
| 複層ガラス | 2枚 | ◯ | ◯ | 間に空気層、断熱性と防音性が向上 |
| Low-E複層ガラス | 2枚 | ◎ | ◯ | 特殊金属膜で熱を反射、断熱・遮熱性能が高い |
| トリプルガラス | 3枚 | ◎◎ | ◎ | 間に2つの空気層(またはガス層)、最高レベルの断熱性 |
各社の窓のガラスの枚数にも違いがあり、現在はペアガラス以上が主流になっています。例えば、一条工務店などの高性能なハウスメーカーではトリプルガラスが標準仕様となっています。
断熱性能や防音性能などはトリプルガラスのほうが上です。トリプルガラスのデメリットは、窓自体が重くなるという点や初期費用が高くなるという点です。
Low-E複層ガラスは、表面に特殊な金属膜がコーティングされており、太陽の熱や室内の暖房熱の出入りを効率良くコントロールします。
夏は日差しを遮り、冬は暖房熱を逃がさない働きがあるため、一年中快適な室温を保ち、電気代の削減にもつながります。
こちらも住んでいる地域の寒さなどを踏まえた窓サッシの選択が重要になります。
充填ガスの違い
トリプルガラスやペアガラスのガラス同士の隙間には空間があり、通常は以下のような空気・ガスが充填されています。
- 乾燥空気
- アルゴンガス
- クリプトンガス
| 充填ガス | 熱伝導率(空気比) | 断熱効果 | 価格傾向 |
|---|---|---|---|
| 乾燥空気 | 1.00 | ◯ | 標準 |
| アルゴンガス | 0.67 | ◎ | やや高め |
| クリプトンガス | 0.50 | ◎◎ | 高い |
クリプトンガス、アルゴンガス、乾燥空気の順で断熱性能が良くなります。
メーカーの違い
窓を作っているメーカーによっても特徴などに違いがあります。日本の窓メーカーは数社ありますが、中でもYKK APやLIXILといった大手メーカーが市場の多くを占めています。
各メーカーはそれぞれ、独自の技術や特徴を持った窓を開発しています。
- YKK AP
- 高性能樹脂窓のパイオニア、APWシリーズ
- LIXIL
- アルミ樹脂複合窓のサーモスシリーズに強み
- 三協アルミ
- 耐久性と災害対策に強み
- エクセルシャノン
- 高断熱樹脂窓に強み
| メーカー | 主要サッシシリーズ | 特徴 |
|---|---|---|
| YKK AP | APWシリーズ、エピソードIIなど | 樹脂サッシの先駆けで、断熱性能の高さに定評があります。富士住建の標準窓であるAPW330は、高断熱樹脂サッシの代表格です。 |
| LIXIL | EWシリーズ、SAMOSなど | デザイン性と機能性を両立させた製品が多く、幅広いラインナップが魅力です。 |
| エクセルシャノン | シャノンウインド | 北海道などで広く採用されるオール樹脂サッシの専門メーカーとして知られます。 |
これ以外にもハウスメーカーの場合、自社で窓を制作している場合や、木製の窓メーカーなどもあります。
富士住建と各ハウスメーカーの窓の比較
富士住建の窓は、一般的なハウスメーカーの標準仕様を大きく上回る高性能な窓を採用しています。
富士住建と一般的なハウスメーカーの窓の標準仕様を比較すると、以下のようになります。
| ハウスメーカー | ガラス | サッシ |
|---|---|---|
| 富士住建 | 遮熱断熱LOW-E硝子(アルゴンガス入り) | 樹脂サッシ |
| ハウスメーカー | ガラス | サッシ |
|---|---|---|
| 一条工務店 | 防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ (自社グループ生産) | 樹脂サッシ |
| スウェーデンハウス | 木製サッシ3層ガラス窓 | 木製サッシ |
| アイ工務店 | 高性能トリプルガラスサッシ | 樹脂サッシ |
| 桧家住宅 | Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り) | 樹脂サッシ |
| クレバリーホーム | Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り) | 樹脂サッシ |
| 積水ハウス | 超高断熱アルミ樹脂複合サッシ「SAJサッシ」 Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り) | アルミ樹脂複合サッシ |
| セキスイハイム | Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り) | アルミ樹脂複合サッシ |
| 大和ハウス | Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り) | アルミ樹脂複合サッシ |
| ヘーベルハウス | Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り) | アルミ樹脂複合サッシ |
| 住友林業 | Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り) | アルミ樹脂複合サッシ |
| 三井ホーム | 高遮熱Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り) | アルミ樹脂複合サッシ |
| パナソニック ホームズ | Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り) | アルミ樹脂複合サッシ |
| トヨタホーム | 高遮熱断熱複層ガラス(アルゴンガス入り) | アルミ樹脂複合サッシ |
| ミサワホーム | Low-Eペアガラス | アルミ樹脂複合サッシ |
| タマホーム | Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り) | アルミ樹脂複合サッシ |
※調査時点の情報になります。各ハウスメーカーは商品や地域によって標準仕様が異なる場合があります。
富士住建は、一条工務店、スウェーデンハウス、アイ工務店などのトリプルガラスの樹脂・木製サッシの会社に次ぐ性能の窓が標準仕様になります。
富士住建の窓に関するルール
透明ガラス、型ガラス(曇りガラス)は差額なしで選べる
型ガラス(くもりガラス)は、表面に特殊な加工が施され、光は通しつつ視線を遮る効果のあるガラスです。
各窓に関して、通常の透明なガラスにするか、型ガラス(曇りガラスのようなガラス)にするかは、差額なしで選択することができます。視線やプライバシーが気になるが、光を取り入れたい部分には型ガラスが便利です。
部屋ごとに標準の窓が決まっている
これを超える窓に関しては、追加料金がかかります。また、窓の種類やサイズを変える場合も差額がかかります。
リビング
- 滑り出し窓2つ、引違い窓1つ
居室
- 6畳以上は引違い窓2つ
- 6畳より小さい場合は、引違い窓1つ
トイレ・お風呂・洗面
- 引違い窓1つ
お風呂の窓の外にはルーバーも標準仕様となっています。
窓のサイズ・種別は差額で変更できる
標準仕様の窓のサイズや種類の変更は差額で変更可能です。ただし、標準より金額的に安いものに変えたとしても減額要素にはならないので、注意が必要です。

どれくらいの選択肢があるのか気になります

窓の大きさやタイプ、さらにはガラスの種類まで、幅広い選択肢が用意されています
- 引違い/掃き出し
- 横滑り
- 縦すべり
- ツーアクション
- Fix
- 上下窓
- テラスドア
- 勝手口
富士住建での窓の設計ポイントや注意点
マイホームを建てる際、窓はただ外を見るためのものではありません。
住まいの快適性や省エネ性能、防犯性まで左右する、極めて重要な要素です。
理想の住まいを手に入れるには、窓の設計段階でさまざまなポイントを熟慮する必要があります。
まずは窓の役割を考える
窓の設計を考える上で、まず重要なのは「窓がどのような役割を担っているのか」を理解することです。
住宅の窓には以下のような役割があります。
- 光を取り込む
- 景色を見る
- 日射熱を取り込む
- 通風
- 換気
- 外に出る

窓の役割ってそんなにたくさんあるんですね。「何となく」で決めるのは避けたいです。

窓は機能だけでなく、健康や安全、そして光熱費にも直結するため、意識して選ぶ必要があります。
富士住建での窓の間取りの設計ポイントは、まずは窓の役割を考えることが重要です。
先ほど書いたように、窓は断熱材のある壁と比べて断熱性能が劣るため、役割のない窓を設けること自体が家にとってマイナスにしかなりません。また、標準外であれば、追加の窓の費用もかかるので、それもマイナスになります。なので、基本的にはすべての窓に役割が必要だと思っています。
そのなかで、個人的な考えですが、
まず、富士住建で建てるという前提においては、冬のために窓から日射熱の取り込みを考える必要はないと思っています。地域によりますが、富士住建の施工エリアが関東で比較的温暖な地域ということもあり、どちらかというと真夏の対策が重要です。
もちろん、軒などで夏の日射取得をなるべく少なくし、冬は最大限に日射を取り込むということは大切ですが、昨今の温暖化で5月から10月くらいまでの厳しい暑さを考えると、軒で対応できる状況ではなくなってきているためです。
換気に関しては、窓にその機能をもたせる必要はなく、特別な事情をのぞけば24時間換気や換気扇などがあれば基本は十分です。例えば、お風呂やトイレに関しては、窓を開けて換気扇を回すより、窓を閉めて換気扇を回したほうが換気効率が良くなります。そのため、換気のためにお風呂やトイレに窓をつける必要はありません。
結果的に、
- 光を取り込む「採光」
- 景色を見る「眺望」
- 風を通す「通風」
- 屋外に出る「出入口」
の4つの役割に絞って、窓の位置などを考えるのがおすすめです。もちろん、窓1つに複数の役割をもたせることもできます。すべての窓に対してなんのためにあるのかということを考えながら間取りプランを練っていくと、より良い家になっていくでしょう。
窓の種類と特徴を理解する
一言に「窓」と言っても、その種類は豊富で、それぞれに異なる特徴があります。
たとえば、日本の住宅で最も一般的な引き違い窓は開口部が広く取れますが、気密性では劣ります。
滑り出し窓は防犯性や気密性に優れ、風を取り入れやすいメリットがある窓です。
- 引違い/掃き出し
- 横滑り
- 縦すべり
- ツーアクション
- Fix
- 上下窓
- テラスドア
- 勝手口
| 窓の種類 | 開閉方法 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|
| 引き違い窓 | 左右にスライドして開閉 | 日本の住宅で一般的、開口部が広い | 換気しやすい、大きな開口部 | 気密性が低い、防犯対策が必要 |
| 滑り出し窓 | 外側または内側に押し出して開閉(縦/横) | 気密性・防犯性に優れ、換気効率が良い | 採光・換気、雨が入りにくい | 全開できない、掃除しにくい |
| FIX窓(はめ殺し窓) | 開閉不可 | 光を取り入れる専用窓、デザイン性が高い | 断熱性・気密性、採光、防犯 | 換気ができない、熱がこもりやすい |
| 片開き窓 | ドアのように一方向へ開閉 | 気密性が高い、デザイン性も高い | 換気、防犯性 | 開放感が限定的、コストが高い |
| 上げ下げ窓 | 上下方向にスライドして開閉 | 開口部を上下に調節可能、デザイン性が高い | 換気、防犯性 | 全開できない、掃除しにくい |

たくさんの種類があって迷ってしまいますね。それぞれの特徴を営業担当の方と一緒に確認したいです。

窓の選択は、部屋の用途や方位によって最適なものが変わります。目的に合わせて選ぶのがポイントです。
これらの基本的な窓の種類と特徴を理解することで、ご自身のライフスタイルや部屋の用途に合わせた、最適な窓選びが可能になります。
富士住建の窓は結露しないのか?
これから富士住建での注文住宅を検討している人の中には、窓の結露に関して気にしているという方もいらっしゃると思います。
富士住建が標準採用している高断熱樹脂サッシは、熱を伝えにくい樹脂製であるため、アルミサッシに比べて結露の発生を大幅に抑えることが可能です。
もし、今がアルミサッシの賃貸に住んでいる場合は、富士住建の標準の窓は格段に結露しにくいといえます。また、現在でも主流の窓の1つである、アルミ樹脂の複合サッシと比べても結露はしにくい仕様にはなっていると思います。当然ですが、APW430などのより高性能な窓のほうが結露はしにくいです。そこは、コストの問題になると思います。

子どもの健康のためにも結露は避けたいです。富士住建の窓なら安心できますか?

高断熱樹脂サッシは結露対策に効果的です。カビやダニの発生も抑え、快適な室内環境を維持します。
ただし、どんなに高性能な窓であっても、絶対に結露しないということはありません。もしこれまでに訪問したハウスメーカーなどで「うちの窓は絶対に結露しません」と言い切る営業がいた場合、その説明は事実と異なります。どのような高性能な窓であっても、室内環境や外気温などの条件によっては結露が発生する可能性はあります。
窓の結露は温かい空気が冷たい窓ガラスに触れることで、空気中の水蒸気が水滴として窓に凝結する現象です。つまり、例えば、室内を加湿器でがんがん湿度を上げ、暖房によって温度を上げた状態で、外気の気温がとても寒いという状態になれば、結露を起こすことができます。どんな窓であっても条件を厳しくしていけば、最終的には結露するということになります。つまり、せいぜい言えたとしても、普通に生活をしていれば結露はしませんというくらいでしょう。
富士住建の窓で結露を起こさないためには、外気温がどれくらい低い地域なのかということと、加湿器や暖房の使い方などの住まい方がとても重要になります。
より高断熱の家にするためには
窓がある部分の壁には断熱材が入らないので、窓がある分だけ、家の断熱性能は悪くなります。
そのため、窓に関してより断熱の家にするためには、窓を減らすということが一つのポイントになります。
ただし、窓には採光、眺望、通風、出入口等の役割があるため、窓を無くすということはこの機能を無くすということになります。
例えば、窓をなんでもかんでもなくしてしまうと、光の入らない真っ暗な家になってしまい、住んでいて快適とは言えなくなってしまいます。
この部分はトレードオフになるので、窓の役割をきちんと考慮して、必要な窓かどうかを判断し、不要であれば、窓をなくすことでより高断熱の家にすることができるでしょう。
より防犯性の高い家にするためには
窓は防犯面の弱点になるということは、先程から書いています。富士住建の標準は防犯ガラスですが、絶対に割れないというわけではありません。そのため、より防犯性の高い家にするためには、
- 物理的に人が入れない細さの窓にする
- 外構計画等もセットで考える
- 防犯カメラ等の他の防犯ツールも活用する
ということが効果的です。
細い窓は、仮に割ることができたとしても、人が侵入することは難しいです。
防犯計画は家の設計だけで完結するわけではなく、外構計画も重要です。いかに泥棒にこの家には入りたくないと思わせられるかが重要です。

標準でも防犯ガラスや電動シャッターが付くのは心強いですが、さらに安心感を高めるにはどうしたら良いでしょうか?

センサーライトやホームセキュリティシステムの導入、さらには窓の配置にも工夫を凝らすことで、より強固な防犯対策が可能です。
標準仕様で備わっている防犯性能に加えて、ご自身のライフスタイルや立地環境に合わせて、追加でできる対策を検討することが、より安心で安全な住まいづくりにつながります。
少しでも気密性能をあげたいなら
高断熱な住まいづくりを考える上で、「気密性能」の向上も忘れてはいけない重要な要素です。
気密性能は、建物の隙間をどれだけ少なくできるかを示すもので、高気密な家は外気の侵入を防ぎ、室内の熱が逃げるのを防ぎます。
窓は住宅の気密性が落ちる部分ですが、以下の順で気密性能が良いです。
- Fix
- 縦すべり
- 横滑り
- ツーアクション
- 上下窓
- テラスドア
- 勝手口
- 引違い/掃き出し
※一般的に気密性能が良い順
よく採用される引違い窓は気密性能が最も悪くなっているので、それを別の窓に変えることで気密性能の向上が期待できます。
まとめ
富士住建の「YKK APW330」窓は、快適な住まいづくりを考える上で後悔しない家づくりに欠かせない要素です。
この記事では、高性能なYKK APW330の特性と、富士住建での賢い窓選びのポイントを詳しく解説しました。
この記事を通して得た知識を活かし、富士住建の担当者と積極的に話し合い、あなたにとって最高の窓プランを実現してください。
よくある質問(FAQ)
- Q富士住建の標準仕様の窓「YKK APW330」は、本当に高性能と言えるのでしょうか?
- A
富士住建の標準窓であるYKK APW330は、高断熱樹脂サッシと遮熱断熱Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り)を採用しています。
これは現在の新築住宅で広く採用されている高水準の仕様です。
特に富士住建の施工地域である関東は比較的温暖なため、十分な断熱性能を発揮し、年間を通じて快適な室温を維持することに貢献します。
- Q富士住建の窓は、一般的なアルミサッシの家と比べて結露しにくいと聞きましたが、完全に結露しないのでしょうか?
- A
はい、富士住建の窓は一般的なアルミサッシと比べると格段に結露しにくい構造になっています。
熱伝導率の低い樹脂サッシとLow-E複層ガラスが、室内と室外の温度差を伝えにくくするためです。
しかし、どのような高性能な窓であっても、室内の湿度や温度、外気温などの条件によっては結露が発生する可能性はあります。
例えば、加湿器を多用し室内湿度を非常に高く保った場合などです。
- Q富士住建で家を建てる際、窓の設計で特に意識すべきポイントは何でしょうか?
- A
窓の設計では「窓の役割」を明確にすることが重要です。
具体的には、光を取り入れる採光、外部の景色を楽しむ眺望、風を通す通風、そして屋外への出入りの4つの役割に絞って考えると良いでしょう。
関東地域では特に夏の厳しい暑さ対策が重要になるため、夏の日差しをコントロールする設計を心がける必要があります。
換気を主な目的とする窓は、24時間換気システムや換気扇で十分なケースが多く、必須ではありません。
- Q富士住建の窓の防犯性能はどの程度期待できますか?標準仕様で何か対策されているのでしょうか?
- A
富士住建の窓は、標準仕様で高い防犯性能を備えています。
具体的には、1階のすべての窓と2階のテラス窓など一部には防犯ガラスが採用されています。
防犯ガラスは、ガラスを割るのに時間がかかるため、侵入者が諦める可能性を高めます。
さらに、1階の掃き出し窓3箇所には電動シャッターが標準装備されており、これも防犯性向上に大きく貢献するでしょう。
- Q窓の種類(引違い窓やFix窓など)によって、部屋の快適性や光熱費に違いが出るのでしょうか?
- A
はい、窓の種類は部屋の快適性や光熱費に影響を与えます。
特に、窓の「気密性能」が重要です。
気密性能は、隙間からの空気の出入りを防ぐ性能を指します。
一般的に、開閉しないFix窓が最も気密性が高く、縦すべり窓、横滑り窓などが続きます。
最も気密性能が劣るのは引違い窓です。
気密性の高い窓を選ぶことで、冷暖房効率が向上し、結果的に光熱費の削減や一年を通した快適な室温維持につながります。


